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スローダンス【アイナナ/R18/百/天】

第13章 ロストロングラブレター



なんだか、無性に百に会いたくなった。そんな風に思っている自分に驚いて、無意識にももりんのボタンを押してしまった自分に、二重で驚く。


『うわっ……!』


思わず声が出てしまって、慌てて口を両手で塞いだ。
そのとき、後ろから声がした。


「ぷっ……」

『!?』


振り返れば、入口に天が立っていて。


『……天!?』

「何してるの。ドジなのは相変わらずみたいだね」

『(見られてた…!?)』


恥ずかしさで熱くなる顔をごまかすように、自販機から出てきたももりんを慌てて取り出して、早々とベンチに腰掛けた。


「間違えて買っちゃったんでしょう。替えてあげる。何飲む?コーラ?」

『……間違えてないし!!ももりんが飲みたかったの!』

「………。そう」


冷ややかな天の対応に、意地を張ったことを盛大に後悔しながらももりんに口をつける。天のことだから、すべてお見通しなんだろう。

さっきの撮影でのアドリブシーンに加えて、こんなださいところを見られて、なんだか余計に気まずかった。

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