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スローダンス【アイナナ/R18/百/天】

第12章 未完成な僕ら



「ユキは星影、オレはツクモと、うまくやってこうっていうのは、一緒に話し合って決めたことでしょ。お互い役割を果たしてきただけだ。騙す騙さないなんて話の次元が違う。そっちこそ、二度とオレの邪魔をしないで」

「……。おかりん、今すぐテキーラ持ってきて。素面でいたら発狂しそうだ」

「無理です、仕事前です」


岡崎の冷静な突っ込みに、千は続ける。


「あいつを一人でコントロールできると思ってるのか?」

「了さんは本来飽き性で、自分が楽しみたいだけの人なんだ。他の楽しみを見付ければ、こんなことは止める。了さんの思惑を潰したなら、今度は機嫌を取っておくべきターンだったんだ…。ユキは了さんを怒らせただろ?」

「なんでわかる?」

「怒りスタンプと知恵の輪のスタンプが、五時間に渡って交互に送り続けられてきた。知恵の輪って何?」

「さあ。心当たりない」

「とにかく、これからは機嫌を取って、慎重に舵取りしていかなきゃ。週末、謝りに行ってくるから…」

「は?謝る?なんのために僕が出て行ったんだ?」

「こっちが聞きたいよ!?」

「……どうして言葉が通じない動物みたいな振る舞いをするんだ」

「動物ってどういう意味だよ!?」

「これ以上あの男と付き合うつもりなら、零との付き合いは止めろ」

「は!?なんでそこで零が出てくるわけ?」

「モモにとって零は大切な彼女なんだろうけど、僕にとって零は大切な妹のような存在なんだ。あんな頭のおかしい奴と付き合っている君に、零を安心して預けることなんてできない」

「どうしてそうなるの!?零は関係ないだろ!?」

「関係ある。現にあの男から零を紹介しろ、としつこく言われてたじゃないか!!」


どんどんヒートアップしていく二人の間に、岡崎が慌てて仲裁に入る。

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