第11章 夏の日の陽炎
「……。もし、俺のせいで……。おまえらが必死に頑張って作った、IDORiSH7が、だめになったら……。……本当に、ごめん……」
「大和さん……」
「本当にごめん……許してくれなんて、言えないけど…どうすりゃいいのか、わかんねぇけど…。ごめんなって、ずっと、おまえらに謝りたかったんだ」
そんな大和に、三月が怒鳴る。
「馬鹿野郎!なんで、あんたがオレたちに頭下げてんだ!親父があんたに謝る方が先だろうが!」
「ミツ…」
「…っ、うぅっ……、オレがぶん殴ってやりてえよ…!自分の子にこんなしんどい思いさせて!あんたもバカだ!きっかけは不純だったとしても、ずっと、一緒にやってきただろうが!IDORiSH7が、あんたの夢になったんだろが!オレたちの夢、オレたちを守りたいだろ!?そうだろ、リーダー」
「……ああ……、このまま、一緒にやっていきたい。自分を好きになれる場所にいたい。……っ、ここにいたい…」
涙ながらに言う大和に、IDORiSH7のメンバー達が口々に言葉を掛けていく。
「私たちは、最初から、その言葉を待っていましたよ」
「そうですよ!戻ってきてくれて、本当によかった!」
「……ごめん……っ」
「謝らないで。聴かなくてもわかります。ヤマト、今幸せですね。おめでとう」
みんなからの言葉に、涙を拭いながら頷く大和。
ちゃんと仲直りができた7人を、温かい目で見守るTRIGGERとRe:valeと零。
『……うっ……大和くん……っ、よかったね……っ』
零がぽろぽろと零れ落ちる涙を拭おうとしていれば、伸びてきた白くて細い指が、そっと頬に触れた。