第11章 夏の日の陽炎
一方、勇気を振り絞ってIDORiSH7の寮に帰った大和。
出迎えてくれたナギが、何やら電話をかけ始める。
TRIGGERにRe:vale、零にIDORiSH7のみんなにそれぞれ電話を掛け、必死に抵抗する大和になど目もくれず、”今夜大和から大事な話があるので来てほしい”、と告げたのだった。
そして、続々と寮に集まる面々。
「大和さん、おかえりなさい!戻ってきてくれて本当によかった!」
「ナギくんから聞いて急いで戻ってきました!」
「第一回打ち明け話会やんだって!?さすがリーダー!ちゃんとしてんな!」
はしゃぐ陸に、壮五に、環。
「こんばんは、IDORiSH7、揉めてたらしいね」
「なんだよ、大事な話って。まさか、二階堂、結婚でもすんのか?」
「え!?手ぶらで来ちゃった!でも、そうか。今日大安だもんね!」
続いてやってきたのは、TRIGGERの天と楽と龍。
そして。
「「こんばんはー!Re:valeでーす!」」
Re:valeの百と千。
『……っ間に合った!大和くん!おかえり!』
零も続く。
続々と集まってくる顔ぶれに、大和は部屋の隅で悲鳴をあげている。
「ああああ……嘘だろ、勘弁してくれよ……!お兄さん無理だよ、こんなの……!」
そして――。
「ただいま戻りました」
「ごめんな、遅くなって!ナギから聞いたよ。大和さんが今夜、全部話してくれるって…」
帰ってきた、一織と三月。
集まっている壮観なる面子を見渡して、三月が驚くように言った。
「…あんた、随分腹くくったな。発表会すんのか?」
「違う。本当に違う…。今から二人で個室居酒屋行こう…そっと仲直りしよう…?」
「すでに涙目じゃねえか」
そんな三月と大和の横で、ナギが大きく口を開く。
「LADIES&GENTLEMAN!本日は第一回ヤマトの打ち明け話会にお越しくださり、誠にありがとうございます」
仕切るナギに、ぱちぱちと拍手があがる。