• テキストサイズ

スローダンス【アイナナ/R18/百/天】

第11章 夏の日の陽炎



「……え?」


目を見開く大和に、千は続ける。


「メンバーに電話しな」

「…今?ここでですか?」

「そうだよ。タイミングが大事でしょう」

「だけど……でも…」

「大和くんだってしてるじゃない。やりたかった、一生懸命。不器用な大和くんが、苦手な僕の前で、スマホを持つ手を震わせながら、一生懸命。仲間のためにさ。勇気が必要だったろ。頑張ったね」

「千さん……」

「その思いが届かない子たちじゃないよ。みんな、君の帰りを待ってる。安心させてあげな。電話して、明日帰るって言いなさい。それだけでいいから」


千の言葉に、大和は震える手で、三月に電話を掛けた。


「……もしもし、ミツ。あの…俺だけど…。…明日帰るから…。おまえらも、一緒に帰ってこいよ…」





/ 552ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp