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スローダンス【アイナナ/R18/百/天】

第11章 夏の日の陽炎



「居場所作ってあげな。イケメンな大和も、へたれな大和もここにいていいんだから。大和がメンバーにしてあげるみたいに、大和が最低って言った大和のこと優しく褒めて、頭撫でてあげなよ。頑張れって尻叩くのは、それからでいい」

「……でも……。本当に最低なんです……ひどいことをして、言えないでいる…優しくされる資格なんてないんです…真剣に話してくれたのに。ふざけて、流して、終わらせようとした……あんな悲しそうな顔、見たことなかったのに。突き飛ばして、出てきちまった……。あの人が言う通りだ…俺は、愛されたいのに愛される努力をしない。そんな自分を恥ずかしがってるだけの、最低な人間です…」

「……それ、誰が言ったの?お釈迦様が言ったの?その台詞、胸に刺さらない人類いる……?」

「…千さんです…」

「……うっ……自分が言われたところ想像して内臓吐きそう……」

「……はは……」


百の言葉に、笑う大和。そんな大和に、百は安心したように微笑んだ。


「へへ……やっと笑ってくれた。大和ができないなら、俺が撫でてあげようか。しょぼしょぼしてる大和のこと」

「…っやめてください!」

「なんで?オレの方がお兄さんなんだぜ」

「……こんなところで、泣きたくない……」

「はは……。かわいい奴だなあ。大和のそういうところ大好き。今夜は強引に誘っちゃってごめんね。また今度、ちゃんと話そうよ。涙目になっても、問題ない場所でさ。零も心配してた。電話出てあげてないだろ」

「……零ちゃんにまで、迷惑かけれません。零ちゃんも、百さんだって、仕事忙しいのに……」

「気にしないで。大和の話、オレも、零も、聞きたいんだからさ」


そういって笑いかける百に、大和の表情が、少しだけ――柔らかく、綻んだ。


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