第2章 shaking your heart
「はい!!先週の、百さんと釣りに行ったっていう話、すごく面白かったです!百さんより大きいブラックバスを釣って、喧嘩したとか」
『あはは、よく覚えてるね。そうそう、あいつ、自分より私が大きい魚釣るとムキになるの!ほんと、大人げないよね!』
「そうなんですか?意外な一面……」
「もしかしてさっき言ってた釣りバカって、Re:valeの百さんだったの!?」
『そうそう!』
驚く陸に、嬉しそうな壮五と零。
零の人見知りも徐々に解けてきた頃、社長が口を開いた。
「さぁ、みんなー!!たくさん食べて!!お腹いっぱいになったら、ゲームをしよう!!」
「えー!!ゲームってなんですか!?」
「健全な、王様ゲームだよ!」
陸の問いに、万理が答える。
王様ゲームという単語に、一同は一斉に目を見開いた。
「王様ゲームって、王様ぷりんもらえるゲーム!?」
「プリンはもらえないと思うよ、環くん」
「なんだ……」
落胆する環とは反対に、眼鏡をキラーンと光らせる大和。
「王様ゲームを健全にやってなんの意味が……って!!もしかして零ちゃんも混ざるのか!?」
『え?』
「マジか!!?」
「おっさんやらしい!!」
「や、やらしいの?き、キスとか?」
瞬間。
社長の持っていたビールの缶がミシッと音を立てた。
「うちの可愛い零ちゃんが変なことに指名されたら、僕が代打に入ります」
その言葉で、きらきらと瞳を輝かせていた男子一同は目に見えるように落胆したのであった。