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スローダンス【アイナナ/R18/百/天】

第11章 夏の日の陽炎




「陸たちの様子はどう?寂しがってるだろ、三月たちがいなくて」


運転しながら、百が言った。


『……うん。寂しそうにしてるよ、どうやったら仲直りできるかって、毎日みんなで考えてる』

「やっぱり。なんか、想像できるよ」

『三月くんたちはどう?』

「うん、オレの前では見せないけどさ…二人とも大和のこと気になって仕方ないみたい。なんとかできたらいいんだけどね…でも、大和にとってこればっかりはデリケートな問題だから……」

『そうだよね……』


二人が喧嘩をした原因は、大和の隠している秘密についてだったらしい。
百と零は、その秘密が何かを千から聞いて知っている。だからこそ迂闊にアドバイスできる問題ではなく、二人を悩ませているのだった。


「でも、大丈夫だよ。あの子たちなら、きっと分かり合えるから。そういう力を持った子たちじゃん、零が一番よくわかってるだろ?」


零を励ますように言う百。
百の言葉に、笑顔に、不安な気持ちは自然と少しずつ楽になっていく。


『……そう、だよね。うん、百の言う通り、IDORiSH7なら大丈夫!』

「そうそう!信じてあげよう、今はさ!」

『……うん!』


そう答えれば、丁度、車が寮の前に到着する。
百が運転席から降りて、助手席の扉を開けてくれた。
百に手を引かれて、車から降りる。


『あの……ありがとね、百』

「ううん、オレが零に会いたかっただけだから。オレの方こそ、ありがと!」


にこ、と笑いながら、百は零の頭をぽんぽんと撫でた。

なんだかそうしてもらうことが、やけに久しぶりに感じて。零は嬉しそうに目を細めた。


『……百……、』

「うん?」


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