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スローダンス【アイナナ/R18/百/天】

第10章 空を覆う雲




「……挿れるよ……っ」


そう言って、呼吸を整えるように息をしてから、そのまま中へとゆっくり押し込んだ。奥に入れば入るほど、ナカがまとわりついてきて、つい自分の声じゃないみたいな恥ずかしい声が漏れる。


「………っ、」


奥に挿し込んだだけなのに、既に吐精感に襲われて、思わず歯を食いしばる。まさかこんなに早くイキそうになるなんて、今までの自分じゃ考えられない。久しぶりすぎるから?いや、違う。こんなに気持ちの良いセックスは知らない。

本当に好きな相手とする行為は、こんなに気持ちのいいことなのかと驚きを隠せない。なんかもう、このまま、心も体も彼女に溺れて、溶かされてしまいそう。


一旦呼吸を置いて落ち着いてから、ゆっくりと腰を動かす。
彼女のナカの感覚を堪能するように、緩めたり、速めたりすれば、ずぷ、といやらしい音が聞こえてくる。


『っぁ……っ……んんっ……!』


甘く啼く彼女の声も、肌が重なり合う音も。快感に顔を歪める彼女の顔も、揺れる白い胸も。すべてが体を、頭を刺激して、もう、冷静には何も考えられない。

彼女の細い腰を掴んで、本能のままに腰を動かす。あまりの耐え難い快感が次から次へと襲ってきて、おかしくなりそうだった。


『ぅ、んっ……ぁぁっ』

「……っ、ごめん……っ、も、イク……っ」


何度か強く打ちつけてから、意識やら血液やら体内の全てがそこに集中して、情けない吐息と共に彼女の最奥で熱を吐き出した。

感じたことのない快感に、息を整えながら思う。オレの初めては、紛れもなくこの人だ。初めてしたセックスとか、そんなもん関係ない。誰が何と言おうと譲れない。オレの初めては、全部、全部零だ。


肩を上下させながら息をする零を、ゆっくり抱き締める。汗ばんだ体が密着してぺたぺたするのに、それすらもどうしようもなく愛おしい。
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