第10章 空を覆う雲
互いの唇を優しく愛撫するように、何度も何度も口づける。吐息が重なって、彼女の口から微かに甘い声が漏れた。それが耳から全身を刺激して、もう、何も考えられなかった。
吐息を絡ませながら、部屋着のパーカーのジッパーをゆっくりと下ろしていく。下着の上から胸を手でそっと包めば、ぴく、と零の体が僅かに反応した。
そっと唇を離して、鼻と鼻をくっつけながら、静かに問う。
「……零、怖くない?」
『………う、ん』
声にならない声で、小さく頷く零。もう、なんでこんなに何から何まで可愛いのかな。
下着のホックを外して、その下からゆっくりと胸を包み込む。初めて触れる零の胸はふわふわで柔らかくて、つい我を忘れて夢中で揉みしだく。やがて先端にゆっくり触れれば、遠慮がちな甘い声が耳を掠めた。
その可愛い声がもっと聞きたくて、胸を指で刺激しながら首筋に唇を落として、そっと舌をなぞらせる。首筋から、次第に胸へ。敏感な部分に舌で触れれば、零の体は小さくのけぞった。
『…ん……っ』
我慢しようとしているのか、控えめに掠れた声が、またこれでもかというくらい脳を、体を刺激する。
繋いでいた片手をそっと離してから、スカートの中に手を滑らせる。すべすべの太ももを堪能するように撫でてから、下着に手をかけた。指を忍ばせ秘部に触れれば、クチュ、といやらしい音が静かな部屋に響く。
『………やっ……ぁ』
ねっとりと指に絡みつく感触と、零の声がこれ以上ない興奮を誘う。
上から見下ろす零の体は、暗い部屋でもわかるくらい真っ白で、滑らかだった。白い頬を赤く上気させながら恥ずかしがる顔は、たまらなく官能的で。もう随分前から昂ぶっている下半身が爆発しそう。