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スローダンス【アイナナ/R18/百/天】

第10章 空を覆う雲




「零、今日はベッドで寝なよ?」


歯磨きを終えた百が、零に言えば。
零はきょとん、としてから、口を開いた。


『百は?』

「オレは、ソファで寝るけど」

『なんで?』

「………なんで、って……」


――そりゃ・・・まだ一緒に寝るには早すぎるでしょ?

いや、一緒に寝たい気持ちは山々なんだけど。
自分を抑えられるかわからなくて、正直怖い。


『一緒に寝ないの?』

「………は?」


零の問いに、思わずぽかんとしてしまう。
言葉の意味を理解するのに、少し時間がかかった。

だって。

ねえ、あのさ。君、言ってる意味わかってる?


「ちょっと……それ意味わかって言ってる?」

『え?だって。私、百の彼女なんでしょ?恋人同士って普通、一緒に寝るんじゃないの……?』

「っ……!」



―――モモちゃん、終了のお知らせです……。

何回オレをK.Oさせれば気が済むんだ、この人。



「……い、いいの?」

『…やだったら、付き合ってないでしょ……』

「そ、そっか……!」


零と一緒に寝るなんて、心から待ち望んだことだけど。いざ直面してみれば、照れくさくてとてもじゃないけれど目なんて合わせられない。

先にベッドに横になった零の姿を確認してから、電気を消して。
おそるおそるベッドに入ってから、零の体に触れないように、慎重に隣に寝転んだ。


「………」


手が汗ばんで、情けなく震えている。
女の子と一緒のベッドに入るだけで、こんなになっちゃってるかっこ悪い自分。中学生か、っておもわず突っ込みたくなる。

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