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スローダンス【アイナナ/R18/百/天】
第10章 空を覆う雲
「ほら、駄々こねてないで。もう帰るよ」
『やーだー!!帰らない!!』
「駄ー目。百くんが心配するだろ」
万理がそう言えば、零は瞳を見開いてから、しゅんと俯いた。
『……しない。……だって、連絡ないし』
ぼそり、とそう呟いてから、テーブルの上に置かれているスマホをちらりと見やる。
「待ってるんじゃない?ほら、帰ったら連絡してって言われてたじゃないか」
『でも、いつもならしつこいくらい連絡来るのに!……いつもなら……』
言いかけてから、零はきゅっと口を噤んだ。
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