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スローダンス【アイナナ/R18/百/天】

第10章 空を覆う雲




「おはようございます。これからは零ちゃんの正式なマネージャーとしてよろしくね」

「へえ、本当に零のマネージャーになったんだ、万」

『えへへ!いいでしょー!』


そう言って、零がふふん!と百を見やれば。


「……羨ましい……いや!恐れ多すぎて無理……!零、よく平気だね!?」

『………ううん……?でもよくよく考えれば万理さんってめちゃめちゃすごい人だよね…。態度改めようかな…』

「いやいや。マネージャーだからね」

「万がマネージャー、ねえ」

「楽しませてもらってるよ。学生の頃のおまえより、全然手が掛からないし」


万理が千に言えば、零がきょとん、としながら訊ねた。


『千ちゃん、手かかったの?』

「こいつ、生活能力ないもん。朝起きれないし、連絡先管理できないし、人の顔覚えないし……」

「万が得意だったからいいじゃん」


千と万理の会話に、「わー!Re:valeの裏話だー!超興奮するー!!」なんて零の服の裾をぐいぐい引っ張りながらはしゃぐ百。


『やめてよ服伸びるから』

「だって、だって…!Re:valeの裏話だよ!?」


瞳をきらきらと輝かせる百は、まるで少年のよう。
本当にRe:valeが大好きなんだなあ、としみじみ思いながら、零は自分も、千と万理のLIVEを一度でいいから見てみたかったな、と思った。百がこんなに興奮するのだから、きっと、それはそれは素晴らしいものだったんだろう。

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