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スローダンス【アイナナ/R18/百/天】
第10章 空を覆う雲
笑顔で去っていく了の背中を見つめながら、百は小さく呟いた。
「……タンとカルビと霜降りサーロインって言えよ……食う気失せるじゃんか……」
ぼそり、といってから、ぎゅっと拳を握る。
「……零には、指一本だって触れさせないよ」
小さな声にこもった強い決意が、喧噪のなかに溶け込んで、そっと消えた。
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