第9章 STARDAST MAGIC
けれど、そんなに露骨に出ていただろうか。零はそんなことを考えながら、百の顔を見ないように斜め上を見ながら答えた。
『……そ、そうだっけ?…でも、ずっと百の横にはいるじゃん…?』
「それ、オレが零の横にいってるだけだから!なのにオレ以外の人とばっかり喋ってさ!一次会なんて、一言もしゃべってないよ!?」
『そ、そう?』
曖昧な反応をする零の顔を、百はじーっと恨めしそうに見つめている。
どんどん顔が赤くなっていくのを感じて、このままじゃまずい、なんて思いながらグラスに控えめに注がれていたビールに口をつけた。
「……しかも、バンさんに頭撫でられて嬉しそうにしてるし……」
ぼそっと言った百の言葉に、零は飲んでいたビールを吹き出しそうになった。ごほごほと咳込んでから、慌てて口を開く。
『べ、別にいいでしょ!?嬉しかったんだもん!(マネージャーになってくれたことが)』
「は!?嬉しかった!?(頭ナデナデが)それ素直に言うんだ!?あー、そうですか!そりゃそうだよね!オレなんかより、イケメンなバンさんの方がいいもんね!」
『はあ?何言ってんの?万理さんがイケメンなことなんて今に始まったことじゃ……って、百、飲み過ぎじゃない!?』
ぐびぐびとビールを流し込む百に、零が助けを求めようと千と万理の方を見れば。二人は何やらまだぎゃあぎゃあと揉めているようだ。
はあ、とため息を吐きながら会場内を見渡していれば、ふと視線を感じた。視線の方へと向いてみれば、そこには天がいて。ばっちりと目が合う。