第9章 STARDAST MAGIC
『ちょっと…!何!』
「え?ちゅーは良くて、手繋ぐのはだめなの?」
『…っ!』
恥ずかしくなって、顔をそらす。
まともに顔なんて見れるわけない。
ついさっきまで友達だと思っていたのに。好きだと言われて、キスをして、そしたらなんだか百が急に男に見えてきて。
無性に恥ずかしくなる。
『………』
―――できるかな?
ちゃんと、恋愛。私にも。
不安だけど。でもね。
きっと、百となら
できるって思ったんだ。
何より、百のまっすぐな気持ちと向き合えることが、今は嬉しい。
「零、耳まで赤くなってる。本当可愛い!」
『……うるさい』
これ……この後の打ち上げ、大丈夫かなあ。
そんな不安も知らずに、百は上機嫌で繋いだ手をぶんぶん振っている。
心の中に何かがぽっと点火されたようなほの温かさを感じながら、車に向かって歩き出した。