第9章 STARDAST MAGIC
―――なんだか、百らしい告白の仕方だと思った。
長年のサッカー部で培ってきた体育会系魂を感じさせる、そんな礼儀正しい告白。
なんて、ごまかすように考えていたって、答えなんか見つからない。
こんがらがる頭を落ち着かせるように深呼吸してから、やっとの思いで言葉を紡ぐ。
『………百……あの、えっと………びっくりして、どうすればいいのかわかんなくて……その、すごく…嬉しいんだけど……』
「………うん……」
『えっと………正直に言うと……、私…情けないんだけど、人とちゃんと付き合ったこととかないっていうか……その、なんていうんだろ……あんまりそういうの知らないし……テレビとか漫画でしか見たことなくて』
必死に紡いでいく、支離滅裂な言葉を、百は頷きながら一生懸命聞いてくれていた。だからこそ、この人に嘘はつきたくない。そう思う。
『……人を好きになったことがないわけじゃない。……昔、好きだった人がいて。たぶん、その人を完全に忘れられたわけじゃなくて……忘れたいのに、忘れられなくて…だから……恋愛から遠ざかってたんだと思う……。百のことは好き。大好きだよ。でも、それが友達としてなのか、恋愛として好きなのか、まだよくわからない………』
顔が見れなくて、つい俯く。
百のことを傷付けたくなんかないのに。
百には笑ってて欲しいのに。
私がこんなことを言ったせいで、百が悲しい顔をしてしまったら。私はきっと、耐えられない。
『……ごめん……百……私、』
「零、顔上げて」
柔らかい声が、耳を掠める。
いつまでも俯いているわけにはいかない。
勇気を出して、そっと顔を上げれば。
そこには、優しく笑ってる百がいて。
「嬉しい……っ。正直な気持ち、めちゃくちゃ伝わってきたっ!」
『百……』