第2章 shaking your heart
「おい、陸~~!!お前ずるすぎるよ~~!!」
「え?何が?」
きょとん、とする陸に、三月が怒ったように反論する。
「零ちゃんと幼馴染とか!!しかもさっき抱き着かれてたろ!?羨ましすぎっ…!!」
「いやー、あの瞬間、リクは日本中の男の敵になったよな」
「や、大和さんまで!!」
「陸くん……僕がどれだけ零さんを好きか伝えて……」
「壮五さんなんかキャラ変わってる!?」
ワイワイはしゃいでいれば、乗り気じゃなさそうな零の腕を引きながら紡がやってくる。
「みなさーん!零さんも仲間にいれてください!」
『は!?ちょっ、何言って』
「零ねぇ、早く早く!!ここにいるみんな、零ねぇのファンなんだよ!!」
『えっ』
「OH~~~!!日本一美しいレディ……ワタシの元へ」
「こらナギ!!やめろバカッ!!」
がやがやと騒がしい輪の中で、零は戸惑いながらも、困ったように笑ったのだった。