第2章 shaking your heart
「零ちゃんはね、テレビのイメージとは真逆なんだ。ほら、あの子、天使みたいに可愛いでしょう。だから、世間が勝手に彼女のイメージを作り上げて、祀り上げてるだけ。本当の彼女は、意地っ張りで、素直じゃなくて、とにかく不器用なんだよ。でもね、気難しそうに見えるけど、根はすごくいい子だから。仲良くなればすぐに心を開いてくれるよ。ああ見えて甘えん坊だしね。あれだけ可愛くて、デビューしてすぐに売れっ子街道まっしぐらだったから、同性アイドルからの批判も多くてね。少し人間不信気味なんだ。だから紡くん、よかったら仲良くしてあげて」
「……そうなんですね……零さん、裏でそんな思いを……。はい!!零さんのために私にもできることがあるなら、全力でやらせていただきます!!」
「うん。よろしく頼むよ」
「紡さんがそう言ってくれると安心です」
そんな会話をしていれば、IDORiSH7のメンバーたちから声が掛かる。
「はーい!今行きます!」
紡はそう返事をしてから、零が日焼け止めを塗っているであろう車へと向かった。