第9章 STARDAST MAGIC
「……零が好き。どうしようもないくらい。……ずっと、ずっと好きだった。」
百のまっすぐな瞳に射抜かれて、こくりと喉を鳴らした。
その場から動くことができない。まるで瞬き一つ許されないくらい、そんな真剣な瞳だった。
―――百が私を好きなんて。
そんなこと、考えたこともなかった。
甘えてくるのも、優しくしてくれるのも、心配性で過保護なのも、全部、仲の良い友達だから。
最初からそうだったし、そういう人柄なんだって思ってた。仲の良い人に対してする態度だって、当たり前に思ってた。
なのに。
『………で、でも……百はいつもボインが好きって……』
「見てる分にはボインが好きだけど……零なら絶壁だろうと、凹んでようと、全力で愛せるよ!」
『凹んでないし絶壁でもないわ』
そんな突っ込みに、八重歯を出して笑う百。
「あはは!うそうそ。ボインが好きなんて、その場のノリで言ってるだけ。……びっくりした?モモからの突然の告白」
『………そりゃ……びっくりだよ……』
「…だよね。顔に書いてある」
『………』
何て答えていいかわからずに、ただただ視線を迷わせる。どこを見ればいいのかわからなくて、百の着てるパーカーを見てから、ちら、と百の顔を見てみれば。真剣な瞳と目が合って、火が出そうなくらい顔が熱くなる。
勢いよく視線をそらして浜辺を見やれば、カップルがキスしてて。
『~~~~っ!!』
「零、耳まで真っ赤だよ」
百の言葉に、慌てて両手で両耳を塞いだ。
―――恥ずかしい。恥ずかしすぎる。どうしよう。何これ。どうすればいいの。