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スローダンス【アイナナ/R18/百/天】

第9章 STARDAST MAGIC





「……零が好き。どうしようもないくらい。……ずっと、ずっと好きだった。」



百のまっすぐな瞳に射抜かれて、こくりと喉を鳴らした。
その場から動くことができない。まるで瞬き一つ許されないくらい、そんな真剣な瞳だった。





―――百が私を好きなんて。


そんなこと、考えたこともなかった。


甘えてくるのも、優しくしてくれるのも、心配性で過保護なのも、全部、仲の良い友達だから。

最初からそうだったし、そういう人柄なんだって思ってた。仲の良い人に対してする態度だって、当たり前に思ってた。

なのに。



『………で、でも……百はいつもボインが好きって……』

「見てる分にはボインが好きだけど……零なら絶壁だろうと、凹んでようと、全力で愛せるよ!」

『凹んでないし絶壁でもないわ』



そんな突っ込みに、八重歯を出して笑う百。


「あはは!うそうそ。ボインが好きなんて、その場のノリで言ってるだけ。……びっくりした?モモからの突然の告白」

『………そりゃ……びっくりだよ……』

「…だよね。顔に書いてある」

『………』


何て答えていいかわからずに、ただただ視線を迷わせる。どこを見ればいいのかわからなくて、百の着てるパーカーを見てから、ちら、と百の顔を見てみれば。真剣な瞳と目が合って、火が出そうなくらい顔が熱くなる。
勢いよく視線をそらして浜辺を見やれば、カップルがキスしてて。


『~~~~っ!!』

「零、耳まで真っ赤だよ」


百の言葉に、慌てて両手で両耳を塞いだ。


―――恥ずかしい。恥ずかしすぎる。どうしよう。何これ。どうすればいいの。


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