第9章 STARDAST MAGIC
「……好きなことを隠して零のそばにいる事、ずっとずるいなって思ってた。一番の友達みたいなフリして、傷つくことから逃げてた。でも、それじゃダメだって思った…。だったらちゃんときっぱり振られてさ、本当の友達として側にいなきゃって…そう思った」
「……振られる前提なんだ」
「!当たり前じゃんか…っ!零はオレのこと、全然男として見てないもん…」
「そう?そうでもないと思うけど」
千は言いながら、百の隣の椅子に腰掛けた。
「モモはどうしたいの?零に振られてちゃんとした友達になりたいの?それとも零と付き合いたいの?」
「そんなの……付き合いたいに決まってるじゃんか……っ」
ぼそっと呟くように言う百が可愛らしくて、千はつい笑ってしまう。
「笑いごとじゃないんですけど!」
「くくっ……ごめんごめん。大丈夫だよ、モモ。君の想いは、空振りなんてしないから」
「……どうしてわかるの?」
「ずっと君達を見てたから」
千の言葉に、百は顔を上げる。
千はふ、と優しく笑ってから、百の頭をわしゃわしゃと撫でた。
「ユキ……超イケメン……!」
「知ってる。大丈夫、モモもイケメンだよ」
「うぅっ……オレがユキだったらよかったのに……!そしたらきっと、とっくに零と付き合って結婚してたかも…」
「そう?じゃあ、僕も零に告白しようか」
「え!?!?ダメ!!絶対ダメ!!!」
「ほら、嫌だろ?例え僕でも、零を他の誰かに取られたら」
「あ……」
気付いたように俯く百。
「想いを伝えてきっぱり振られて、なんて甘いこと言ってないで、何が何でも自分の女にするくらいの勢いで行きなさい。じゃなきゃ後で後悔するのはモモだよ」
「……わかった。ユキ、ありがとう!モモ、男になって帰ってくる!!もし、振られて落ち込んでたら……その時はよろしく頼みます」
「任せて」