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スローダンス【アイナナ/R18/百/天】

第9章 STARDAST MAGIC




「……好きなことを隠して零のそばにいる事、ずっとずるいなって思ってた。一番の友達みたいなフリして、傷つくことから逃げてた。でも、それじゃダメだって思った…。だったらちゃんときっぱり振られてさ、本当の友達として側にいなきゃって…そう思った」

「……振られる前提なんだ」

「!当たり前じゃんか…っ!零はオレのこと、全然男として見てないもん…」

「そう?そうでもないと思うけど」


千は言いながら、百の隣の椅子に腰掛けた。


「モモはどうしたいの?零に振られてちゃんとした友達になりたいの?それとも零と付き合いたいの?」

「そんなの……付き合いたいに決まってるじゃんか……っ」


ぼそっと呟くように言う百が可愛らしくて、千はつい笑ってしまう。


「笑いごとじゃないんですけど!」

「くくっ……ごめんごめん。大丈夫だよ、モモ。君の想いは、空振りなんてしないから」

「……どうしてわかるの?」

「ずっと君達を見てたから」


千の言葉に、百は顔を上げる。
千はふ、と優しく笑ってから、百の頭をわしゃわしゃと撫でた。


「ユキ……超イケメン……!」

「知ってる。大丈夫、モモもイケメンだよ」

「うぅっ……オレがユキだったらよかったのに……!そしたらきっと、とっくに零と付き合って結婚してたかも…」

「そう?じゃあ、僕も零に告白しようか」

「え!?!?ダメ!!絶対ダメ!!!」

「ほら、嫌だろ?例え僕でも、零を他の誰かに取られたら」

「あ……」


気付いたように俯く百。


「想いを伝えてきっぱり振られて、なんて甘いこと言ってないで、何が何でも自分の女にするくらいの勢いで行きなさい。じゃなきゃ後で後悔するのはモモだよ」

「……わかった。ユキ、ありがとう!モモ、男になって帰ってくる!!もし、振られて落ち込んでたら……その時はよろしく頼みます」

「任せて」




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