第9章 STARDAST MAGIC
―――なんだか、聞くのが怖くなって来た。
ずっと秘密にしてたことって…?
何それ…百に秘密なんてあったんだ…。失礼だけどかなり驚きだ。
深刻な顔してるし、何か重大な秘密なのかな。
なんだろう…
しかも、このタイミングで………
待てよ。
千ちゃんとRe:valeを始めてから、記念すべき五周年。
その日に打ち明けること―――
さっき、千ちゃんが私にハグしてきたとき、百がヤキモチ妬いてたような。
もしかして―――
ユキのことが好き、とか…?
うわ。
もしかして。もしかしてこれが…噂のボーイズラブ……俗に言うBLってやつ!?
マジか。どうしよう。打ち明けられても、なんのアドバイスもできないし、まずそれに関しての知識を持ち合わせていない。BL漫画とか読んどくべきだったかな…
でも、千ちゃんは普通に女性が好きだよね?オフの日釣りとかサッカーばっかの百と違って、千ちゃんはよく綺麗な女優さんとこっそり密会してるし。そういう場合はどうなるんだろう。そのことで百は悩んでるのかも…。
「ちょっと、零。聞いてる?」
『えっ…!あっ!!はい!!』
「どうしたの、ボーっとして。一時間後に迎えに行くから、着いたら電話するね」
『あっ、はい……じゃあ、また後で……』
「うん、また後で。…なんか、変な零……」
心配そうな顔で、零の背中を見送る百。
そんな百の心配とは裏腹に、零の脳内ではボーイズラブについての妄想が蔓延っていたのであった。