第9章 STARDAST MAGIC
みんなが向かった方へとしばらく走っていけば、零は視界の端に天の姿を捉えた。その姿にほっと安心して、声をかけようとすれば―――。
『天……っ、…………?』
天は、ゼロの格好をしたウィザードらしき人物を地下駐車場へと誘導している。
『え………?』
―――何かの、間違いだろうか。
実際にウィザードを見たIDORiSH7のみんなとは違って、自分は見たことがない。だから、天が逃している彼がそのウィザードだなんて確証はないんだ。
あれはナギの言うウィザードなんかじゃなくて、ただのゼロの真似っこさんだったとか?
そうだ、そうに違いない。きっと騒ぎになる前に、天が逃がしてあげたんだ。
でも。
だったら、なんでこんなところに?
なんでみんなに隠れるようにして、逃がそうとしてるの?
ねえ、天
なんで―――?