第9章 STARDAST MAGIC
「バンさんに会えて良かったね、ユキ…」
「…ああ…」
「零と、IDORiSH7とTRIGGERたちが、オレたちのために色々してくれたんだ…」
「そうだな…。僕たちは本当に周りに恵まれた」
「―――千さん、百さん、それではOPのシークレット、行ってきます!」
陸の掛け声に、天と楽が続く。
「全力でやりますから、ちゃんと、ここで見ててくださいね」
「Re:valeのライブ、しょっぱなから盛り上げてやるぜ!」
「うん!楽しみにしてる!」
『―――シークレットライブのスペシャルゲストは―――IDORiSH7とTRIGGER!!』
零のナレーションと共に、曲が流れ始める。
IDORiSH7とTRIGGERがステージ上に現れ、会場内は一気に沸いた。
紹介を終え、零がステージ裏に戻れば。千と百が駆け寄ってくる。
「零…!この曲って…」
『うん、これもサプライズ!あの子達、みんなでRe:valeの曲を歌おうって、夜な夜なレッスン頑張ってたんだよ』
「…っ、あはは!なんだよ、もう…。こんなサプライズの連続、泣けてきちゃうじゃんか…っ!」
『モモに向けてのメッセージだよ』
「え…?」
『千ちゃんと百の歌には、二人の5年間の思い出が詰まってるでしょ?デビュー曲、ヒットソング、ドラマの主題歌、CMの歌、陸上大会のテーマに選ばれた曲、憧れたアーティストにもらった曲。…全部、二人の軌跡』
「そうだな……」
「ひとつひとつに思い出がある…ユキの隣で歌ってきた思い出」
「そうだ。Re:valeはずっと、僕とモモでやってきた。君が僕のパートナーだよ」
「…ユキ…」
「―――零さん、Re:valeさん、そろそろ、スタンバイお願いします。…百さん、どうですか?テープの準備しておきますか?」
スタッフから声が掛かる。
百は不安そうな表情で、千と零の顔を見た。