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スローダンス【アイナナ/R18/百/天】

第9章 STARDAST MAGIC



「どうも、こんにちはー。ドッキリ、成功した?」


入ってきたのは、大神万理―――もとい、元Re:valeのバンだった。


「……万……!」

「……!バンさん…!!バンさんじゃないですか…!!」


驚きを隠せない千と百。


「どこにいたんだ!?ずっと探してたんだぞ…!」

「久しぶりだね、千。だめじゃないか、百くん困らせちゃ」

「おまえが突然、姿を消すからじゃないか!…っ、もう二度と会えないかと…」

「心配かけてごめんね…。小鳥遊社長に拾ってもらって、今は零ちゃんやIDORiSH7達の事務所で働いてるんだ」

『…びっくりしたよ…まさかバンさんが万理さんだったなんて』

「はは、ずっと黙っててごめんね。でも零ちゃんには本当に感謝してるんだ、いつも千と百くんの側にいてくれて、近況を聞けたから」

「万…。怪我の傷跡は?」

「大分、傷跡も薄くなったよ。ほら、前髪に隠れるとわからないだろ?」

「…幸せにやってるのか?」

「ああ。自分で歌うことはもうないけれど、毎日とても楽しくやってるよ。零ちゃんと、IDORiSH7のおかげでね」

『万理さん…』

「Re:valeのことも応援してた。ブラックオアホワイト、総合優勝おめでとう。それから、五周年も」

「ずっと、見ててくれたのか…」

「はは…。当たり前じゃないか。百くんのことも、ずっと応援してたんだよ」

「…バンさん…。オレ、バンさんのファンでした…。憧れだったバンさんの代わりに、ユキさんの隣にいていいのかって、ずっと悩んで…」

「なにを言ってるんだ。当然じゃないか」

「バンさん…」

「君のおかげで、千は音楽を続けてくれたんだ。感謝してるよ。…ありがとう、百くん」

「…っ、ありがとうなんて、そんな…!」

「万…僕を恨んでないのか?僕を庇って怪我をして、なのに、僕だけが成功して…」

「馬鹿にするなよ、千。俺をそんな男だと思ってるのか?」

「…違う。…違う、僕は…」

「わかってるよ…。俺の分も背負って、歌ってくれてたんだろう?義理堅い千のことだからさ」

「…おまえと作ったRe:valeを、この世から消したくなかったんだ…」

「わかってる。だけど、君は一人じゃない。Re:valeはもう俺と君のものじゃない。君と百くんのものだよ」


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