第9章 STARDAST MAGIC
「…!この粉はなんだ!?まさか、君が…」
「……。はは……」
「何がおかしい…。おい…。…嘘だろう…?」
「…あんたには話したじゃないか。俺は復讐のためにここにいるって。まだわからないのか?あの人を殺した業界に対する復讐さ。…Get Back My Song…。ゼロの領域を侵すものは許さない」
「何を言ってるんだ…」
「はは…。あははは!映画を引き受けたのはこのためさ。あんたを油断させるため…。ゼロは神聖なんだ。汚い手で、ゼロの栄光に触れるなよ」
「…君がモモに毒を盛ってたのか…。小鳥遊事務所のらくがきも、全部君が…」
「そうさ!Re:valeも、IDORiSH7も滅ぼしてやる!…ゼロの曲をカバーだと!?思い上がったおまえらに、俺が天罰をくだしてやったんだ!ゼロの代わりにな…!」
「…大和くん…」
「あはははは!ざまあみろ!百は一生歌を歌うことは出来ない!今の気分はどうだ!?なあ…最高の五周年だろう?」
瞬間、千が大和に掴みかかる。
「…このッ……!」
「……ッ、やめろ…!!」
その時、ガチャ、と扉が開く音がした。取っ組み合う千と大和の二人に、楽屋に入ってきた陸が慌てて止めに入る。
「どうしたんですか、千さん…!大和さん…!何してるんですか!?」
「止めるな…!彼がモモに毒を盛ったんだ!」
「大和さんが…!?」
「あははは…!こいつらが!おまえが!ゼロの領域を侵そうとするからさ!」
「ふざけるな…!モモの声が潰れることがあったら、君を一生許さない…!あいつが隣にいてくれたから、僕は音楽を続けていくことが出来たんだ!僕にとって、モモはゼロ以上のシンガーだ!おまえたちなんかの……!」
千がそう言いかけたとき、ガチャ、と楽屋の扉が再び開いた。