第9章 STARDAST MAGIC
『…て、天!?』
「そんなに驚くことないでしょう。ずっとここにいたんだけど」
『みんなと一緒に位置についたんだと思ってた…』
零がそういえば、天はふ、と優しく笑ってから、零の頬っぺたをむに、とつまんだ。
「首謀者のキミが、そんな不安そうな顔しててどうするの」
『…ひたた!首謀者って…!わ、わかった!ちゃんと自信満々な顔するから離してっ!』
むにーっと頬っぺたを引っ張りながら、天はくすくすと笑っている。
そんな天の表情を見ていれば、さっきまでうまくいくかな、なんて思いつめていた気持ちがすっと楽になった。
『ありがと、元気でた。頑張ろうね、天!!』
「そうだね。まあ、頑張るのは二階堂大和なんだけどね」
この作戦の要である、大和の演技―――けれど、彼の演技に関しては、絶対的な自信があった。なにしろあの千のお墨付きだ。抜群の演技力を持つ彼ならば、きっとうまくやってくれるだろう。
時計を見れば、そろそろRe:valeが会場入りする時間だ。
零と天は顔を見合わせ頷くと、作戦開始だとでもいうように互いの位置へと駆けた。