第9章 STARDAST MAGIC
ついに迎えた、ゼロアリーナこけら落とし―――。
初日、二日目と会場は満員御礼の大盛況。TRIGGER、IDORiSH7共に伝説のステージに相応しい、特別な熱い姿を見せた。
そして、最終日―――。
脅迫状まで届いた、Re:valeの五周年記念コンサートがやってきた。
会場入りした零が控室に入れば、そこにはすでにIDORiSH7とTRIGGERのメンバーが全員揃っていた。
おはようございます、と口々にかかる挨拶に答えてから、零は真剣な表情で椅子に腰掛けた。
『みんな、作戦の内容は大丈夫?』
零の問いに、一同はばっちりだとでも言うように大きく頷く。
Re:valeのために、零の提案でドッキリ作戦を計画していたのだ。
作戦の進行を確認してから、一同はそれぞれ位置に着き始める。
そんな彼らの背中を見送ながら、零はすう、と深呼吸をして、ぼそり、と小さく呟いた。
『…大丈夫…だよね……』
「―――大丈夫。きっとうまくいくよ」
突然背後から聞こえた声に驚き振り返れば、そこには天が立っていて。
――九条に会って以来、天とは少し気まずいままだった。
九条に会った日に何度も電話を掛けたがつながらず、以来天にやや避けられているような気がしていたから。