第8章 星霜の雫
零の言葉に、その場にいた者たちから続々と称賛の声が上がる。
「熱いね、零。痺れたよ」と、千。
「零さん、最高にかっこいいぜ」と、楽。
「はは、やってやろうじゃんか」と、大和。
百に至っては、うるうると大粒の涙を瞳に溜めている。
九条は目を見開いてから、やがてふっと笑った。
「はは…。やっぱり面白い子だ。零…。また会えるのを楽しみにしているよ。天。理。行くよ」
環や陸が引き止めるも、天と理は九条と共に行ってしまった。
『………天』
―――小さく、囁くような声で、名前を呼んだ。
聞こえるはずなんてないのに、天がこちらを振り向いて、哀しそうに笑った顔が―――酷く、胸を締めつけた。