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スローダンス【アイナナ/R18/百/天】

第8章 星霜の雫




「…零じゃないか…!」


九条は嬉しそうに、ゆっくりと零に近寄る。けれど、百と零を守るようにして千が九条の前に立ち塞がった。


「……。…零…久しぶりだね。今日の収録で、久しぶりに君を見れると思っていたのに残念だったよ。ふふ、やっぱり僕の目に狂いはなかった。君は僕が見つけたスターの原石…まさしくダイヤモンドだ」

「零ねぇ……?なんで……っ、もしかして…っ!?…零ねぇに近寄るな…!!」


陸の言葉など聞こえていないかのように、九条は続ける。


「でも、本当に残念だよ…二流のプロデュースのせいで、酷く霞んでしまった。あんなに目も当てられないほど綺麗だったのに…まるで、処女受胎から生まれたみたいに。君の周りは二流ばかり…僕と一緒に来ていれば、こんなことにはならなかったのに。ねえ、天?」

「………」

「今からでも遅くはない。零、僕と一緒においで。君と僕なら、ゼロを―――」

『行かない!!…っ絶対に行かない…!!』


零ははっきりとそう言ってから、九条を思い切り睨みつけた。


『小鳥遊さんの元じゃなかったら、私はアイドルになんてなれなかった。完璧じゃない、欠陥だらけの私を、小鳥遊さんは受け入れて、育ててくれた。ゼロを超える…ゼロにこだわって、ゼロの真似っこをしてるあなたとは違う…!Re:valeは、千ちゃんと百は二流なんかじゃない。今のRe:valeは、千と百の二人が作った本物のアイドルだよ……。千と百は、Re:valeは―――ゼロだって超えてみせる!!』

「零……っ…」

『新しい時代に、あなたの出る幕なんてない。過去の亡霊でしかないあなたに……新しい伝説なんて作れない。ここにいるIDORiSH7が。TRIGGERが。Re:valeが。私が。あなたが思いつきもしなかったような、新しい伝説を作ってやる!!』


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