第7章 心音に触れられない
「僕が不安にさせてたせいで、君は歌えなかったの?」
「…わかんないけど…」
「歌ってよ、モモ。心から反省してる。君の歌が聞きたい。零からも言って」
『…!うん……百の歌が聞きたいよ』
「……ユキ……零……」
「楽くん、さっきの台詞なんだっけ?」
「世界が終わる日まで、俺のパートナーは永遠に宇宙で一人だけだ」
「……恥ずかしさ上がってない?」
「別に普通だろ?」
「「普通ではない」」天と龍の声が重なる。
千はこほん、と咳払いをしてから、不安そうな顔の百に向かって、ゆっくり口を開いた。
「……世界が終わる日まで、僕のパートナーは永遠に宇宙で一人だけだ」
「……本当に?」
「ああ。スタジオに戻ろう。歌えそう?」
「……うん……っ」
「よかったよかった!これでハッピーエンドだ!スタジオに戻りましょう、みんな!」
龍の掛け声で、それぞれスタジオへと戻っていく。
だけど―――
その日も、百の歌声が聞けることはなかった。