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スローダンス【アイナナ/R18/百/天】

第7章 心音に触れられない




『……百……』

「じゃあ、どうしてユキさんに来るなって言ったんです」


天の問いに、百は言いづらそうに口元を歪めた。


「……それは……」

「千さんと揉めたの?」

「付き添おうとした千さんに、百さんが怒鳴って、飛び出したんだ。だから零が追いかけて、すぐにボクも追いかけて」

「怒鳴るなんて……あんなに仲良しなのに?」

「……でしょ。そうでしょ?ユキとはラブラブだから、みんなも心配しないで。ユキには謝っておくから。ユキはジェントルメンだから、謝ったら許してくれるから……ちょっと、一人にしてください」

「嫌です」

『ちょっと、陸……!』

「陸、空気読もうー……」

「話してください!オレもこの間まで一人で悩んでいろいろ考えてました。でも、話した方がすっきりすることもあります!だから百さんも、一人で悩まないで。無理に笑わないでくだだい」

「あ……あはは……。……笑ってないとさ、笑ってないと、不安で押しつぶされそうになる。だって、オレは……」


絞り出すような声で言ってから、百は握っていた零の左手をぎゅっと強く握り返した。


「……オレは、本物のRe:valeじゃないんだ」





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