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スローダンス【アイナナ/R18/百/天】

第6章 声を聞かせて




「零がソファで寝るっていうんなら、オレは床で寝る!」

『はあ!?』


零が盛大に顔を顰めれば、百はずるずると引き摺ってきた掛け布団を、ソファの横に敷き始めた。


『ばかじゃないの!?』

「いいじゃん今日くらい!零の隣で寝たいんだもん!」

『だからって床で寝ることないでしょう!?それなら私が床で寝るから百はソファで寝なよ!』

「やだ!オレは床がいいの。硬くて落ち着くし!」


尤もらしいような、らしくないような反論をしながら床に寝始める百。
こう見えて、百は結構頑固なのだ。零は呆れながら、床に転がる百を見下ろした。


『……風邪ひいても知らないからね』

「引かないから大丈夫!ハニー、おやすみ。また明日」

『……はあ』


掛け布団にくるまって、ひょっこり顔を出しながら百が笑った。ちょこん、と出ている八重歯が可愛くて、なんだか憎たらしく思えてくる。

零は小さく『おやすみ』とだけ返し、毛布にくるまった。


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