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スローダンス【アイナナ/R18/百/天】

第6章 声を聞かせて






「………あ………」



曲が始まったにも関わらず、百の声が聞こえてこない。


――「どうしたんだ!?百さん!?」なんて、あちこちからスタッフの声が聞こえてくる。




「………声が……。……歌おうとしたら、声が出ない………」



『……百……?』




その日、何度テイクを重ねても、百の歌声が聞こえることはなかった。
やむをえず、音をテープで流して、歌った振りをして収録することになった。

ゲストも、スタッフも、驚きを隠せなかった。



その日、誰かが言った。


それはまるで、ゼロが自分の曲のカバーを嫌がっているようだ、と。



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