第6章 声を聞かせて
音楽番組は順調に始まり、IDORiSH7はセンターを変えたばかりなのにもかかわらず、素晴らしいパフォーマンスを見せた。
司会のミスター下岡からトリであるRe:valeの紹介が始まる。
「それでは、ご紹介しましょう!みなさん、お待ちかね!Re:valeのおふたりです!」
「こんばんはー!」
「こんばんは」
「ゼロのヒット曲のカバー、五周年記念のコンサートと、話題の尽きないおふたりですが、どうですか?今の心境は?」
「どきどきしてるけど、わくわくもしてるかな?やったことないことって大好き!」
「百くんはいつも明るいねー。千くんの方はどう?」
「一人だったら、プレッシャーできつかったろうけど。こいつがいるから」
「おおー!相変わらず、Re:valeは仲いいねえ!
「お風呂も一緒です!」
「入んない入んない」
「あはは!夫婦漫才の冴えるRe:vale、曲、お願いいたしします!」
セットへと入って行く二人の背中を見送りながら、零はどこか違和感を感じていた。
『(……なんか、百……いつもと違う……?)』
それは、ほんの少しの違和感だった。
けれど。