第5章 ボクはキミを
「ソウからだ。…もしもし。え?あいつ(千)来てんの!?あー……今新橋!ガード下でのんでる!今日は朝帰りかなー。……ああ、無理無理。今帰さないで、部屋にいれといて。まじこなでも見せといて。うん、うん、ごめんな!それじゃ!」
「壮五、なんて?」
「ナギの部屋にRe:valeがいるらしい。零ちゃんと、ソウも一緒に」
「ええ!?なんで!?この部屋磁場が狂ってんのか!?せっかく来てるなら挨拶……」
「やめとけやめとけ!Re:valeが王様プリン食っちまったらしい」
環の「王様プリン食った奴ぶっ殺す!」という言葉が部屋に響いている。
「な?」
「そ、そうだな…先輩相手に事件起こせねえもんな」
そんなやり取りをしていれば、ナギの部屋から電話を片手に零が出てきた。
『……天!?』
「零さん!?帰っていらしたんですか!?」
『うん、もう結構前に……』
零が天の元に駆け寄れば、楽が目を見開いて驚いている。
「なっ…零さん!?」
『え、楽くん!?なんで!?』
「!お疲れさまで――……あ、いえ……人違いです。オレ、ただの蕎麦屋なんで」
『え?』
「零、どうして家についたなら連絡しないの?ずっと待ってたんだけど」
天が不機嫌そうにいえば、戸惑いながらも零が答える。
『あ、ごめん!天の方が来るの遅いと思ってたから。で、陸と話せたの?』
零がそう答えた瞬間、陸の部屋の扉が開いた。