第1章 手を繋いで【桂夢/甘】
「小太郎!」
グイッと私から銀パ男を引き剥がすと
「!無事か!?」
ちょっと怒っている様な声で私を力強く抱きしめた
その様子を見ていた銀パが頭を掻きながら質問してきた。
「え、その可愛い子ヅラの知り合いなの?」
「俺の彼女だ、銀時…悪いが、今日は帰らせてもらうぞ」
「はいはーい。じゃあ、またね。お姉ちゃん」
ヒラヒラと手を振る男に見向きもせず
早歩きで帰路を急ぐ
いつもの小太郎なら挨拶しているはずだけど、
全くしないという事は相当怒ってるよね
握られてる左手首がジンジンと痛む。
長屋に着くと、小太郎の部屋に押し込められた。
優しい小太郎はもうここには居ない。
「…あの、小太郎…」
「何故付いてきた?」
「ごめ、な…さい。どうしても銀時さんに会いたかったから…」
ポロポロ涙を流すを力いっぱい抱きしめ
「怖い思いさせてすまなかった…銀時に会わせないようにしてた理由、分かってくれたか?」
「うん…何で会わせてくれないのか分からなかったけど、実際会ってみて分かったよ…
不安だったんだね…」
「んっ…こたろぉ」
顎を掴まれ、激しいキスをする
「っ…分かったらもうムチャな事はしないでくれ…」
「はあっ…っ…んっ!」
先程よりも息が出来なくなるほどのキスに頭がクラクラする
「今日はずっと傍にいてくれ」
この後、いっぱい愛されて
もう銀時さんに独りで会いに行かないと固く約束をした。
「…これを受け取って欲しい」
「え、これって…」
左の薬指にキラリと光る指輪がはめられていた
「俺と夫婦になってくれ」
…嬉しい……
「ふつつかものですが、よろしくお願いします」
「愛してる」
【完】