第8章 不思議少女の正体
呂道に見送られて種族が住む場所から帰ってきて一日が経ったが智晃はまだ実感が持てずにいた。
右手首にはまる金のリングをベッドに寝転がりながら見つつもどこかでこれは夢なんじゃないか、と思ってしまう
智晃
(そういや…凛も妖獣リング持ってんのか…?)
普段制服は長袖であるし、凛は基本的に首を覆うブラウスをインナーに着ている事が多い為どうかは分からない。
凛の事だ、また内緒と言って教えてくれないんじゃないかと智晃は思っていて中々、聞こうとは思えなかった
そして、そんな思いが拭えないまま智晃の戦闘訓練は始まった─…
凛
「さて、それではまず魔器を出してみてください」
智晃
「えーっと…刺青が出てたら手を翳すだけで良いけど、服着てたらそれごとだっけか」
凛
「正解です」
その言葉に一安心すると智晃は先日、呂道に入れてもらった刺青がある左二の腕をTシャツの上から触れる
凛
「触れたら、出現してきてほしい場所に手を出してください」
言われた通り智晃は右手を前に出すと、その掌に剣が本当に現れて分かりやすく驚く
智晃
「本当に出た。すげ…怖ぇ…何か、変だ」
凛
「ふふ…いずれは慣れますよ」
智晃
「お、おう……ん?ガーベラが入ってる」
智晃は改めて自分が持っている剣に目を向ける。
柄の根元には三つの小さなガーベラが赤い宝石で入っていて、刃の中心にはガーベラが薄く刻まれていて先の方はダイヤ型に穴が開いている
凛
「入れた刺青は魔器や妖獣へ影響があります」
智晃
「影響?」
凛
「はい。智晃の剣にガーベラが入っているのは貴方の刺青がガーベラだからです」
智晃
「はー…成る程な」