第6章 祝いと別れ
智晃
「もっと弟と生きりゃ良かっただろ…」
凛
「…そこも、彼は苦しかったんじゃないでしょうか」
二度と目を覚ます事のない春太を見ながら二人は言葉を交わす
凛
「弟さんを生き返らせてしまったのは自分の為だけだったのではないか、と苦しんでいたのかもしれません。だから、春太が言ったように自分が命を落とすのなら一緒にというのは…嬉しかったのかもしれません」
智晃
「嬉しかった…か。そうかもな、向こうでも一緒に居れんだしな」
智晃
「こんで良いだろ」
凛
「完璧ですね」
翌日の夕方、智晃のお気に入りの丘に二人で春太を埋葬したのだ。
学校で担任…福留は、春太が事故死だと伝えた
大事な一番の友人を失った智晃は喪失感を持ちながら春太が眠る場所を見詰め
智晃
(頑張るからな…春太)
一つの決意を空っぽになった胸におさめた