第3章 謎の特訓…と、遭遇
顔面にジェラートを受けて倒れている男二人と腕を押さえて石畳の上をのたうち回る男に、警察官が近付き拘束する。
警察官
「協力に感謝する。…君、大丈夫だったかい?」
凛
「はい、大丈夫です。それよりも少しやり過ぎてしまったようなのでしっかり治療してさしあげてください、すみません」
人質だったにも関わらず謝罪し頭を下げる凛に警察官は首を横に振る
警察官
「巻き込んでしまった此方に非がある。それに君が…いや、君達が捕まえてくれたお陰で被害を出さずに済んだ。本当にありがとう」
優しい笑みを浮かべて、そう告げた警察官は二人に敬礼を残して仲間と共に男達を連行していった―…
智晃
「けど、怪我が無くて良かったな」
凛
「はい。智晃も魔法が使えましたし」
智晃
「それは…凛のお陰だ。凛の言葉を思い出したから失敗せずに魔法を使えた」
凛
「違いますよ。…智晃の実力です。自信をお持ちください」
彼女の微笑みに智晃は曖昧に返事をする事しか出来なかった