第3章 謎の特訓…と、遭遇
智晃
「わりぃな、騒がしい親で」
凛
「いえ、幸せそうで何よりです」
その言葉に何か引っ掛かるものを覚えて彼女を振り返ると、凄く優しくも嬉しそうに両親が居る方を見て笑んでいた。
そもそも、俺の家に来たいと言った理由はただ行ってみたいからという事だった。
本当にそれだけだったのかたった今、疑問になればそれを問おうと口を開き
智晃
「凛、どう…「凛さん、早く此方へいらっしゃい」
凛
「はい、お邪魔します」
だが、それは叶わず俺の言葉は母さんの元気な声によって消されていた。
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智晃
「いや、何でそうなるんだよ」
母
「だって、もしも母さんの服を着て凛さんにはサイズが緩かったぁ…なんて事になったら恥ずかしいじゃない!」
智晃
「何を乙女みてぇな事言ってんだよ…」
母
「あら!女はいくつになっても乙女よ!」
びしっと効果音がつきそうなくらいの勢いで人差し指を俺に向けてきた母さんに、額を押えながら溜め息を吐く。
食事を終え、我が家に泊まる凛が風呂から上がった時に着る服は当然母さんのもので良いと思っていたが
本人はそうではなかったようで何を言っても通じない様子だ。
智晃
「んなら、本人に聞いてく「駄目よ、今お父さんと話しているんだから」
智晃
「はぁ?そんなん止めさせれば良いだろ」
母
「もう良いじゃない!うだうだ言うんじゃないの!」
いや、何で俺が怒られてんだ…
強制的に俺が服を貸す方向で話は纏り、自室に凛が着れそうな服を探しに向かう