第14章 新しい生活 新しい仲間
グリフォンタクシーで通った時の様に小さな雲を越えると、そこには二度目に視界に入れる種族達の国々。
やはり、浮かんでいる国は不思議で。
そこに浮かんでいる三つ以外にもまだ国が何処かにある…想像もできなかった。
凛とした約束…いつか智晃が産まれた国に連れていってくれる、それを彼は改めて楽しみにした
一つの国が見えてきた。
それは、初めて智晃が種族界に刺青を施してもらいにきた時に遠くから見た白く立派な城に近付いていた
そして、降り立ったはその城の前。
智晃
(あの時、来たのはこの国だったのか…)
全員が大福から降りると、凛が首のリングを先程撫でたのと逆に撫でると妖獣は姿を消した。
一歩前に出てくるっと身体の向きを変えた凛が智晃へ視線を向けて柔らかく笑み
凛
「ようこそ、我がフリデールへ。…智晃、この国の長として貴方を歓迎いたします」
ゆったりとお辞儀をする凛はまさにこの国を治める長だ。
智晃は彼女の両親が長であるのは先日、知った。
その為、彼女が長になるのは当然の事だと分かっていたのに本人の口から聞くと僅かに驚いてしまう
智晃
「あ、こちらこ「凛!」
智晃が慌ててお辞儀をしようとすると、彼女の後ろから聞こえる声に寄って阻止された。
凛
「ただいま帰りました」
?
「おかえり、凛。…ついでに凉晴もね」
凉晴
「ついでは余計だ」
?
「はいはい。…凛、それ向こうの洋服かい?可愛いねぇ…」
凉晴
「あんたは凛なら何でも可愛いだろ」
?
「まぁね。…ん?ひょっとしてその小僧が凛が言ってた奴かい?」
すらっとした着物の女性が智晃へ視線を向ける。
智晃は彼女の少し形が細い紅い瞳に見詰められ思わず固まる
?
「何だい、人の顔見るなり固まって」
きょとんとするその妖艶な女性の問いに智晃は慌てて首を振り、頭を下げる