第4章 candy☆love(千石夢/甘)
「私にはそんな事出来ないから…」
ごめんね!と言い残し、また走り出そうとすると
グイッと引っ張られて唇が重なりあう
「んっ…!」
甘い味が口内に広がってくる。
顔を背けても、千石君は追いかけてくる
目を見つめると、逃がさないよ?と言ってるように思えた。
強く胸を叩き抵抗を続ける。
満足したのか、解放してくれた千石君を睨みつける。
「…手が早すぎ」
「ゴメン…でも、俺本気だよ?」
…こんな出会い方もアリだと思わない?
なんておどけてみせると、
「最低すぎる出会いだと思うけど?」
と顔を赤くして怒る莉那さん
「それに、キスの時舐めてたキャンディーを私の口に入れてきたりして…変態!」
「それは…甘い味で俺にメロメロになって欲しいなって思ったんだけど…嫌でした?」
「なっ…!何変なこと言ってるの!」
「さっきより赤いですよ~?いやぁー可愛いなぁ!」
また抱き締めようとしたら、スルリとかわして
「もう…またね!」
と言い残し、電車に乗り込んでしまった。
ん、またねって事はまた会ってくれるのかな?
いつかまた会えたら、今度こそ付き合ってと真剣に伝えるぞ!
ガッツポーズをして気合い入れたけど…
「連絡先、交換し忘れてるー!」
アンラッキーすぎるよぉー…
完