第3章 ペテン師の憂鬱(仁王夢/悲恋)
翌日
幸村に部室に呼び出された仁王
「莉那から聞いたよ。無理矢理キスして困らせたんだってね」
「あぁ、そうじゃよ」
「俺達付き合うことになったんだ。今後莉那に同じ様な事したら…どうなるか分かるかい?」
「プリッ。分かっとるよ。もうしないさ」
「ふぅ…君の言葉を信じるよ。…さ、莉那、もう出てきていいよ」
幸村に呼ばれていたのは仁王だけではなく、
莉那も呼ばれていたのだ。
コソッと幸村のロッカーから莉那が現れた。
「昨日は、悪かったな…」
「もう、大丈夫だよ」
仲直りじゃと莉那に手を差し出すと
幸村に目配せをして
手を繋いで良いのかと聞いているみたいだった
幸村が頷くと
そっと手を握って、すぐに離した。
今までの仲には戻ることは難しいが、
これからも仲間として、
接していくようにせんとな
【完】