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テニプリ短編集☆

第2章 アナタの隣(手塚夢/甘)


「私のどこを好きになったの?」


だって私はそんなに可愛くないし、
成績だって下から数えた方が早い位で……


「分からない。気付いたときには好きになっていた」

分からないって言われてガクッと机に項垂れる。


「…ちょっと、分からないって何?」


「そうだな…強いて言うなら、俺には無い物を中谷が持っているから惹かれてしまったのかも知れないな」


「それが知りたいのに……」




フッと優しく笑うと
「…自分で気付いてみろ」

なんて意地悪を言う彼が愛しくなって

頬にキスをした
「…おい、今、な、何を!」

みるみる顔が赤くなる手塚の手を握って


「えへへ、何だろうね」

おどけて見せた。



「お前には、敵わないな…」



「もう一回しても良い?」


「あまり調子に乗ると
グラウンド100周だ。」


「げっ!それは遠慮しておきます~~」


そんな二人のやり取りを

「ふーん、部長もあんな顔するんだ。…面白いの見ちゃった。」



図書当番をしていた青学の生意気ルーキーが見ていたなんて誰も知らない。




あれから数学の成績がグーンとアップし、他の教科も上から数えた方が早くなったんだ。



「おい、莉那早く帰るぞ」

今まで見てるだけだった、片思いの彼

「国光、歩くの早いよー」

「仕方ないな…こうすれば離れずに済むだろう。」

今は固く手を繋ぐ、大好きな彼氏になった


これからもよろしくね。

【完】
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