第86章 今の私。
「そんなこと・・・。」
日向「ここまで一緒に過ごしてきたんだろ?ちったぁ仲間の心配くらいしてやれよ」
私の頭を撫でながら日向先輩は言った。
「仲間、ですか?」
日向「あ?あ、あぁ。そうだ仲間。」
「ブラックラブは・・・仲間、ですか」
日向「何当たり前のこと言ってんだよ。お前、誰よりもあいつらのこと信用してんだろ」
その言葉で、私の頭の歯車がうごきだした。
そうだ。仲間なんだ。
さっき【やめたくない】をいえなかった。
でもそれは前の私だ。そんなの変わってないも同然だ。
【やめたくない】はもう言えない。手遅れだけど、でも、玲央さんを悩みから開放することならー・・・
「まだ、遅くない、ですよね・・・?」
日向「始めることに速いも遅いもねぇよダァホ」
撫でてた手がパーからグーに変わり、ポコッと軽く叩かれる。それと同時に気合がはいった。
「私、玲央さんに会ってきます。」
日向「おう、行ってこい」
「・・・ありがとうございます。日向先輩」
日向「いいからはやく行けって」
先輩の顔をみてから、私はドアを開け、外にでた。
待ってて、玲央さん。