第84章 やってしまった。
=玲央side=
玲央「そろそろ決めないと」
なーんて事、雅に言ってる私だけど
実際の所複雑なのよねぇ。
私だって雅のこと大好きよ。多分恋愛的な意味で。
でも皆私より本気だし、
たまには遠慮しとこうかしら、みたいな心境。
軽いノリの私よりは、本気の人の方が雅もいいだろうし。だけど・・・
「玲央さんと一緒にいるのが今一番楽しいかもしれません。」
本当に何いいだすのこの子は。
全く何も考えないで言ってるわね・・・。もう。変な期待はしたくなのにそわそわしちゃうじゃない。
「お菓子作りも楽しいですし、紅茶とか色々話したりするのも楽しいですし・・・」
そのとき、私は焦った。
やめて雅。これ以上何も言わないで。あなたのことは好きだけど本気にはなりたくないの。お願いだからー・・・
「今こうしてるのも、私は好きです」
ーーーー・・・
あなたの、笑顔 が。
ーーーあぁ、やってしまった。
こんな一瞬の出来事なのに、もういつもの私じゃいれなくなってしまう。意識してしまう。
本気になってしまった以上、あなたに近づけない。
臆病なのよ。私って。
ごめんなさい雅。
好きになってしまったこと、謝るわ。