第82章 君が望むもの
=氷室side=
高尾「今日はもう寝たほうがいいっすよ。寝付けなくても、寝転がってたらそのうち・・・」
氷室「・・・ありがとう。ちょっと疲れてるみたいだ。目が痛い。」
高尾「なおさら休んだほうがいいっすよ。雅は俺に任せて・・・」
あぁ。
そんな言葉に対しても腹が立つよ。
お前に任したくないよ俺は。
・・・もう、考えるのはよそう。
氷室「最後までまかせっきりでごめんな。お言葉に甘えて、部屋に戻るよ」
そういって俺は医務室をでて、
部屋へと戻るため、廊下をぽつぽつ歩いた。
・・・やっぱ駄目だな。
考えてしまう。俺の知らないところで、日向と雅が惹かれあっているということ。俺は眼中にないということ。
雅は・・・俺のこと、なんとも想ってない、こと。ってことだよな。
氷室「・・・っはは。」
一瞬の笑いがでたと思ったら涙があふれ、止まらなくなった。廊下だというのに、しゃがみこみ、声をおさえて。
泣いた。
こんなに腹がたつのに。
こんなに悲しいのに。
こんなに悔しいのに。
やっぱり君が好きだ。
好きなんだ雅。
あきらめきれないくらい、狂おしいほどに、
おぼれてる。惹かれてる。愛してる。
氷室「っ・・・あぁ・・・っ」
どんなに手をのばしても
届かないと分かっていても
求めてしまうよ。
やっぱ君を好きになったことに後悔なんてしたくないよ。
せめて・・・
氷室「想い続けることだけはっ・・・許してくれ」
好きだ。雅。