第82章 君が望むもの
=氷室side=
夜、寝付けなくて俺は医務室へと向かった。
寝付けなかった理由もこれだし。
軽くコンコンッとドアを叩くと、すぐに高尾がでてきた。
高尾「あ、氷室さんじゃん」
氷室「うん、ちょっと様子が気になってね・・・。雅の調子はどうかな」
高尾「あー・・・それなら・・・」
部屋のベッドで雅はスースーと寝ていた。
高尾「ぐっすりっすよ」
そして心から愛しいものを見つめるような目をする高尾。
最近雅に近づけてなくてへこんでたように見えたんだけど・・・そんなことなかったみたいだな。
近づけてないのは俺のほうか。
氷室「良かった。これで明日は安心して帰れるね」
高尾「あれ、もう一泊するんじゃないんすか?」
氷室「今吉さんがね、怪我人でたのに旅行続けるのは危険だって。」
高尾「えーっ せっかく雅も元気になったのに・・・」
へぇ。
この余裕から考えると・・・
氷室「高尾」
高尾「なんですか?」
氷室「雅となにかあったでしょ?」
高尾「!? い、いや?なんも・・・」
氷室「そう?ならいいけど」
あはは。すごく顔にでてる。
もしかして何か変なことでもしたのかなー・・・
だったらどうしようかなー・・・←
なんて、高尾のことだしそんなことする訳ないな。
・・・それに、高尾は知らないんだろうし。
雅の、
好きな人。