第81章 見れないっての。
それを言うと、高尾君は俯き黙ってしまった。
高尾君。本当に不安だったんだな。
いつもの高尾君なら私を傷つける・・・いや、傷つけようともしたことないもんね。
それほど、私のことを心配して、想ってくれて、愛してくれている。それを考えると・・・。
「高尾君」
私は優しく高尾君を抱きしめた。
「適わないとか、そんなの違うよ。高尾君は私のことちゃんと思ってくれてるよ」
高尾「でもっ・・・俺・・・」
「高尾君は本気で私のこと心配してくれてたんだよ。じゃないと、点滴を取ってどこかに行った私のことなんて、探したりしないでしょ?」
高尾「雅・・・」
「高尾君の優しさ、ちゃんと伝わってる。大切に思ってくれてるの、ちゃんと届いてるよ」
高尾「っ雅・・・!」
高尾君は、静かに涙を落とした。
それからしばらく泣いていたけど、
安心したのか、もう大丈夫。と高尾君から言ってくれたので、私は高尾君から離れた。
高尾「ありがとな、雅」
「ううん。なんか私のほうこそごめんね」
高尾「は!?雅はなんも悪いことしてねぇじゃん!」
「やっ、でも、その・・・高尾君はこんなに私のこと思ってくれてるのに、何もしてあげれてないなーって・・・」
高尾「え?なに?付き合いたいって?」
「ち、違うよ!!」
高尾「うわー即答傷つく・・・笑」
「あ、ご、ごめっ」
高尾「いいっていいって。謝りすぎ。俺もごめんな。あんな・・・乱暴にして」
「ううん。少しでも高尾君の悩みを解消できて、こっちとしては嬉しいよ?」
微笑むと、高尾君は顔を真っ赤にしてそっぽを向いた。
高尾「・・・天使すぎんだろ//」ボソッ
「ん、ぇ?なんか言った?」
高尾「なんでもねーよっ!ったく・・・まともに見れねぇ」
「フフッ 顔赤い。可愛い」
高尾「かわいくねーよ!かっこいいって言われた方が男は嬉しいもんだぜ?」
「でも今の高尾君は可愛いよー♪」
高尾「ったく・・・
お前の方が可愛いっての。